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笠松善光寺 住職

善光寺だより29年年末号


 平素より当山の教化活動並びに維持管理にご擁護賜り有難うございます。

昨年には何かとお世話になりありがとうございます。

新年は、皆さんにとってより良い年になりますようお祈りいたします。

 皆さん毎年お正月はどのようにお過ごしでしょうか。

最近では、お正月を海外や行楽先で過ごすという方も多いと耳にします。ひと昔前には、お正月は親類が集まりおせちをつまんで「お家」の話をするというのが一般的ではなかったでしょうか。

時代と共に、家族の在り方・お正月の過ごし方も変化していきます。それは決して悪いことでは無く、今の時代に合った過ごし方だと思います。

しかし、時代と共に「お家」について話すことも少なくなってしまっているのではないでしょうか。「お家」の話をする時にかつてはご先祖様の話が必ずと言っていいほど話題に上がったのを思い出します。

家族での過ごし方がどのような形になっても、「お家」の話ができる時間をいつも大切にしたいですね。

最近、気になること!

 皆さん、「獺祭」という日本酒をご存知でしょうか。

お酒がお好きな方はご存知かもしれませが、非常に人気なお酒で流通量が少ないと言われています。その為、手元に来るまでに非常に高価になってしまうというお酒です。

しかし、つい最近「お願いです。高く買わないでください。」と大きな字で書かれた広告が新聞に掲載されました。掲載したのは「獺祭」を作っている旭酒造という会社でした。

自社の商品が高く売れることは酒蔵としては価値が認められ嬉しい事のように思えますが、なぜこのような広告を掲載したのでしょうか。

旭酒造は「獺祭」をおいしい状態で消費者に売ってくれるお店にしか卸さないと言います。そこには、「獺祭はお客さまの幸せのためにある」という旭酒造の想いが込められています。旭酒造のそんな思いとは裏腹に、転売が相次ぎ、高価で、おいしくない状態でお客さまの手に渡るということがあったので広告を掲載したと言います。

作り手の想いがお客さまに届かない。このような自分の想いが相手に伝わらない、相手の想いに気付く事が出来ないという事は日常生活の中でも多々あります。そんな思い違いが、時には別れを生み、悲しみや怒りを生んでしまいます。

 そこで、相手の想いを推し量る想像力が必要ではないでしょうか。決して簡単ではありません。何が悲しみなのか、何がうれしい事なのか、何が怒りを引き起こすのか。きっとそれぞれ違う、けれど共通しているところがあると思います。

相手のことを知り、寄り添いあう事で思い違いも少なくなるのではないでしょうか。

ここで気を付けてほしい事が一つ。「私がしてあげているのに」という押し付けにならないようにしましょう。

合掌


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